抄録
本稿は,収益認識プロジェクトで提案された公正価値モデルの生物資産・農産物への適用を試み,生物資産・農産物の収益認識における公正価値モデルの適用の意義を検討しようとするものである。まず,IASBとFASBが提案した公正価値モデルの特徴を明らかにする。次に,IAS41号における生物資産・農産物の認識・測定について説明し,公正価値測定の規定を明確にする。最後に,公正価値モデルに基づいて生物資産・農産物の収益認識がどのように行われるかを検討したうえで,生物資産・農産物の収益認識に公正価値モデルを適用することの意義を闡明化したい。