抄録
本稿の目的は,かつて,単体の財務諸表を念頭に議論された発行持分説と主体持分説を,連結レベルで論じることにある。経済的単一体説を前提とすれば,連結財務諸表における支配持分と非支配持分の関係は,単体の財務諸表における普通株式と優先株式の関係と同様に捉えることができる。本稿では,両者の会計処理を整合的に論じるという発想が,株式種類別経理についても適用可能なことを明らかにする。連結上の会計処理に発行持分説を適用するだけではなく,連結貸借対照表における表示にもそれを反映させるのであれば,非支配持分についても支配持分と同様に払込資本と留保利益を区分して表示することが必要になる。