会計プログレス
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私立大学における会計情報開示の経済的帰結
シグナリング仮説の検証
黒木 淳
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2015 年 2015 巻 16 号 p. 30-44

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抄録

 本稿は,私立大学における会計情報開示の経済的帰結について実証的に明らかにすることを目的とする。Saxton et al.(2014)などの先行研究は非営利組織における会計情報開示がシグナルとして機能する可能性に言及しているが,シグナリングを参考にした検証と解釈がなされていない。そこで,本稿は,新規の会計情報開示が好業績をシグナルするというシグナリング仮説を検証することで,私立大学が新規に会計情報開示を実施した結果,どのような経済的帰結をもたらしたのかを明らかにする。具体的には,2007年度から2010年度までの財務データを用いて,私立大学における新規の会計情報開示が,検定料及び学生生徒等納付金の変化とどのように関連しているのかについて実証的に分析した。その結果,好業績であり,かつ新規に会計情報を開示した私立大学ほど,検定料や学生生徒等納付金を追加的に獲得できていることを発見した。この結果は,私立大学における会計情報開示が,相対的に好業績である場合に限り,シグナルとして有効に機能している可能性を示唆している。

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© 2015 日本会計研究学会
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