抄録
臓器提供意思表示カード(以下、ドナーカードと記述)所持の意思決定に影響する要因を明らかにするために、大学生を対象に調査を行なった。ドナーカードの所持率は23.0%であった。ドナーカードの所持率は、「脳死を人の死と認め、脳死者からの移植手術に賛成する者」、また、「家族や友人と脳死・臓器移植について話をしている者」で高かった。しかし、ドナーカードの所持と「科学・技術についてのニュースや話題に対する興味や関心」ならびに「社会意識」との関連は認められなかった。本研究から、ドナーカード所持の意思決定のためには、適切な情報の提供や総合的判断力の養成が必要であると示唆された。