生命倫理
Online ISSN : 2189-695X
Print ISSN : 1343-4063
ISSN-L : 1343-4063
終末期ケアに関する啓発活動への高齢者の関心と規定要因
松井 美帆森山 美知子
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 14 巻 1 号 p. 65-74

詳細
抄録

本研究の目的は、終末期ケアの啓発活動への高齢者の関心とその規定要因を明らかにすることである。対象は中国地方の老人クラブ会員258名で、医療保健専門家による終末期ケアに関する教育講演については58.9%に関心がみられた。関連要因として年齢があり、前期高齢者に関心が高い傾向であった他、終末期ケアに関する家族や医療従事者との話し合いをはじめ、かかりつけ医の有無、家族機能、手術経験などが関連していた。一方、延命治療の意向では医師や家族に判断を任すとした非自己決定群が58.6〜61.1%であり、リビング・ウイルをよく知っているものは12.2%であった。以上のことから、前期高齢者の世代から家族や医療従事者との関係に配慮した上で、自分の意向を事前に周囲と話し合っておくことやアドバンス・ディレクティブについて啓発活動を行なうことの重要性が示唆された。

著者関連情報
2004 日本生命倫理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top