生命倫理
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終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインと看護師のホスピス・緩和ケアの知識・実践の現況
松井 美帆
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2009 年 19 巻 1 号 p. 106-111

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抄録

終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインと看護師のホスピス・緩和ケアの知識・実践状況の認識について明らかにすることを目的として、A県内の医療施設2施設の看護師127名を対象に自記式質問紙調査を行った。対象者の平均年齢は39.4±9.6歳、女性が92.9%、看護師経験年数は平均15.2±9.2年であった。同ガイドラインを知っているものは70名(55.1%)、全く知らないと回答したものは57名(44.9%)であった。ガイドラインの認知度に関連する要因として、ホスピス・緩和ケアに関する知識及び実践が挙げられ、年齢、性別、経験年数、ターミナルケア態度については関連が認められなかった。ホスピス・緩和ケアに関して知識が高いとした回答項目は<症状コントロール>、<チーム医療>、低い項目として<疼痛コントロール><介護保険制度>などが挙げられ、知識に比較して実践できている割合は低下を認めた。以上のことから、高齢者の終末期の特徴を考慮した上で、医療・ケアチームの一員として、疼痛や不快な症状の緩和を図り、終末期医療の決定プロセスにおいても患者を支援していく必要がある。

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2009 日本生命倫理学会
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