生命倫理
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再考・病院内倫理委員会 : 本邦の現状と再生のための序論
一家 綱邦
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2013 年 23 巻 1 号 p. 23-30

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抄録

従来、本邦では、研究倫理と臨床倫理の区別が曖昧なままに、医学研究の倫理的観点からの審査と日常的に臨床で生じる倫理的問題への対応という2つの任務を、研究倫理審査委員会と病院内倫理委員会に振り分けることなく単一の倫理委員会に担わせてきた。結果的に、様々な資源が不足する倫理委員会は機能不全を起こし、前者の機能以上に公的ルールによる規律が乏しい後者の機能は有効に来たされていない。それにもかかわらず、臨床倫理の問題に対する諸ガイドラインは、臨床の医療者には倫理委員会の利用を促し、社会に対しては倫理委員会が機能するように説明をする。病院内倫理委員会の普及が進まず、有効に機能しないことの要因は、病院内倫理委員会に関する理解が本邦で十分でないことにある。適正な病院内倫理委員会を利用することの倫理的・法的意義を明らかにし、その意義を果たすために備えるべき病院内倫理委員会の要件について考えることが、我々の役割であろう。

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2013 日本生命倫理学会
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