生命倫理
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在宅で終末期の家族を看取った遺族から見た在宅療養への認識
安藤 満代二の坂 保喜
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2014 年 24 巻 1 号 p. 171-177

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抄録

本研究の目的は,患者を在宅で看取った遺族から見た在宅療養に対する認識について調べることであった。在宅ホスピスを提供しているクリニックで患者が亡くなって半年から2年未満の遺族100名に調査票を郵送し,返送があった45名を分析対象とした。調査票に在宅療養を利用した感想や意見を自由に記述してもらった。文章は質的な内容分析を行い,要約としてカテゴリを抽出した。その結果,【ケアリングの精神があるケア】,【介護に対する自信を高めるケア】,【各専門職による適切なケア】,【在宅療養への満足】,【在宅療養への推進の意志】など,在宅療養に対して肯定的なカテゴリが抽出された。一方では,【後悔】や【疑問に思うこと】など,今後の課題も抽出された。これらの結果から,家族は在宅療養にほとんど満足しているが,後悔や疑問に思うこともあり,今後はこれらを解消することでさらに在宅療養への認識も肯定的になると考えられた。

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2014 日本生命倫理学会
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