生命倫理
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報告論文
代理懐胎における「母は誰か」
‐分娩者の保護‐
貞岡 美伸
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キーワード: 代理懐胎, , 分娩者, 尊重, 保護
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2015 年 25 巻 1 号 p. 104-112

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抄録

 代理懐胎の是非と誕生した子どもの母は誰かという2つの問題は異なる。本稿では、子どもを産むという代理懐胎者の主体的な意志を尊重し、代理懐胎者を保護する立場から、分娩後に一定期間を置いて、母を変更することの意義を検討した。先ず代理懐胎における母の型を明確にした。子どもの誕生を意図して養育意思を持つ母、子どもの誕生を意図して養育意思を持ち自己の卵子を使用した母、代理懐胎で分娩した母において利点・欠点をまとめた。次に代理懐胎者が母となる場合の問題、一定期間を置く根拠を考察した。分娩者が母ルールは、代理懐胎契約に違反し、代理懐胎者を母とした場合に養育環境を整えやすい。また代理懐胎依頼者が母となる時期を子どもが誕生した直後よりむしろ誕生後6ケ月以内とすることに意義がある.

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