生命倫理
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報告論文
日本におけるアドバンスケアプランニングの現状
‐文献検討と内容分析から‐
角田 ますみ
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2015 年 25 巻 1 号 p. 57-68

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抄録

 わが国でも人生の終盤期をどう生き死に逝くかということに関心が高まり、アドバンスケアプランニング (Advance Care Planning : ACP)という言葉が散見されるようになってきた。しかし、実際にはACPとは何かということが明確にならないまま、臨床現場ではそれぞれが手探りで実践に役立てようと苦労している。そこで本研究では、日本におけるACPの文献から、我が国におけるACPの現状を検討した。その結果、内容分析から、ACPを必要とする【場】、【時期】、【選択】、【状態】、【人】、ACPが必要としている【援助技術」、【システム】の7つの力テゴリーと45のサブカテゴリーを抽出した。これらは概念としてのACPを具体的に構成する要素と考えられた。今後の課題として、この構成要素を具体化し、実践に役立つ支援の方法論や技術を確立・向上していくこと、そしてこれらの成果を蓄積し、日本に適用可能なACPを構築していく必要性が示唆された。

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