生命倫理
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報告論文
出力型 Brain-Computer Interface に関する倫理的論点とその考察
-体系的な文献レビューに基づいて-
三羽 恵梨子中澤 栄輔山本 圭一郎瀧本 禎之赤林 朗
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2018 年 28 巻 1 号 p. 61-74

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抄録

背景:近年、コミュニケーションと機器の操作を目的とした出力型BCI (Brain-Computer Interface)の実用 化に向けた研究開発が進められている。現在のところ、医療応用が中心だが、将来的には社会全体に大きな影響を与える技術と評価されている。そのため、技術的課題の克服と同時に倫理的・社会的議論も併せて行う必要が指摘されているが、議論は整理されておらず、具体的な提言に至っていない。

目的:出力型BCIに関する倫理的問題について、現在提出されている議論を系統的に整理し全体像を明らかにする。

方法:先行研究の体系的収集と主題分析による分析を行った。

結果:BCIに関する倫理的議論は、【BCIの研究倫理】、【BCIがもたらす社会への影響】、【BCIがもたらす人間性への影響】、【BCI倫理とは何か】に大別された。

考察:議論の現状として、トピックの提示にとどまっており、議論としての内実を伴わない傾向がみられた。 今後、方法論を含めた、議論のさらなる深化が求められる。

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2018 日本生命倫理学会
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