生命倫理
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報告論文
マルサスからリプロダクティブ・ライツへ
-産児制限をめぐる倫理思想の系譜-
林 和雄伊吹 友秀Kazuo HAYASHITomohide IBUKI
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2025 年 35 巻 1 号 p. 103-111

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抄録

 本稿では、生殖に関わる「親の決定権」、「子に対する義務」、「社会に対する義務」をどのように位置づけているかという点に注目して、産児制限をめぐる倫理思想の系譜を辿る。具体的には、マルサス、ミル、サンガーの思想を順に見た上で、それらの思想がリプロダクティブ・ライツの考え方につながった点を確かめる。その結果、次のことが明らかになる。産児制限は当初、社会や子にとって悪い事態を予防するための義務として提唱された。そこから次第に、各夫婦や各女性が自分の子を産まないことを決定する権利が唱えられるようになり、この考え方が人口政策に対する批判と合流して、今日のリプロダクティブ・ライツの概念が生成された。生殖に関わる義務の提唱が社会的弱者に対する強制につながりやすい点には注意が必要だが、生殖に関わる義務が生じる場面と権利が認められる場面をどのように区別すべきかは、今日においても検討し続けるべき問題である。

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日本生命倫理学会
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