動物の行動と管理学会誌
Online ISSN : 2435-0397
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加速度計を用いた人工哺乳子牛における吸乳行動の測定
森田 茂岡崎 駿平加藤 寛之上田 宏一郎
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2022 年 58 巻 3 号 p. 109-115

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抄録

無線式加速度計が、子牛の動作を記録する機器の開発に利用されている。本研究では、無線式加速度計を用いて子牛の吸乳行動記録に利用し、子牛の吸乳行動の特徴を検討した。4頭のホルスタイン種子牛を単飼した。子牛の吸乳時間と吸乳回数は、ビデオ記録から求めた。加速度計を首輪に装着し、得られたデータから、最大エントロピー法を用いて吸乳頻度を推定した。推定平均吸乳時間は219秒であり、平均回数は473回であった。観察された吸乳頻度は2.2Hz(回/秒)であった。主に上下の動作を含む方向での加速度変化から、吸乳頻度が推定でき、推定された吸乳頻度は2.4Hzであった。用いたデータ期間は、平均80秒で、これは全吸乳時間の38.9%であった。全体の70%で、実測値と推定値の差が10%以内であり、加速度計で吸乳頻度が推定できることが示された。吸乳時間や吸乳回数は日齢とともに大きく変化するが、吸乳頻度の増加はわずかであった。

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© 2022 動物の行動と管理学会
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