ブリーフサイコセラピー研究
Online ISSN : 2432-9371
Print ISSN : 1880-5132
研究報告
長期に持続した失声症への介入:ひそひそ声で話し合い,独り言で暮らしましょう
石原 辰男
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ジャーナル 認証あり

2020 年 28 巻 2 号 p. 61-71

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抄録

2年半以上持続した失声症状の改善要因を明らかにするため,ある事例の検討を行った。クライエントは,セラピストの提案により無声音での会話(ひそひそ声で話すこと)や自分の行動を自分に向けて言語化すること(独り言)を課題として続けた。その結果10か月ほどで正常な音声で話せるようになった。改善要因を検討したところ,ひそひそ声で話すなどの「利用」を用いたことで改善への意欲が維持され,また独り言は「注意のそらし」として機能し,発話の無意識化を促したものと考えられた。このことから,効果的な介入は「利用」や「注意のそらし」であることが示唆された。

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© 2019 日本ブリーフサイコセラピー学会
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