抄録
超音波診断装置は緩徐に劣化が進行し,劣化があっても各種パラメーターを駆使して画像が作られる近年の超音波画像からは画像異常に気付くことが難しい.日本乳腺甲状腺超音波医学会ファントム部会では体表超音波画像の客観的な精度管理を行うことを目的としてファントムの開発を行い,2021年11月に日常点検用体表超音波精度管理ファントムUS-4B が完成した.常に同一条件で定期的にファントムを撮像し,ファントム画像に変化がなければ安心して日常の検査を行うことができる.経時的画像劣化の管理を判断するための簡便なツールであるが,正しい使用目的,方法と評価法を習熟していることが大変重要である.
精度管理ファントムの使用目的や使用上の注意点についての述べ,これまでファントム部会で検討してきた実際の精度管理方法について報告する.