主催: システム制御情報学会, 計測自動制御学会, 日本機械学会, 精密工学会, 日本航空宇宙学会, 化学工学会
共催: 48の学会,協会などから協賛
量子コンピュータを利用した超並列計算は,量子状態の重ね合わせ原理などの量子力学的効果を応用した非常に魅力的な研究テーマであり,多くの量子計算アルゴリズムが提案されている。Farhiらによって提案された断熱的量子計算(adiabatic quantum computation; AQC)もそのひとつである。それは,対象となる問題に適した最終ハミルトニアンが構成できれば,非決定論的多項式時間の問題を含む様々な問題に適用できる量子計算特有のアルゴリズムである。我々はそのAQCにエネルギー散逸とニューラルネットワークとのアナロジーを利用した最終ハミルトニアンの構成方法を加えたニューロ様断熱的量子計算(neuromorphic adiabatic quantum computation; NAQC)を提案した。本稿では,量子ビットをニューロンとして見立て,大規模ニューラルネットワークへのNAQC適用に向けた数値シミュレーション結果を示し,そのネットワークの自己連想記憶としての能力について評価する。