自動制御連合講演会講演論文集
第52回自動制御連合講演会
セッションID: D2-1
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リカレントニューラルネットワークを用いた神経活動シミュレーション手法
*夏目 季代久高橋 正明
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抄録

神経活動をシミュレートするために、膜電位固定実験のチャネルデータに基づき微分方程式を用いて神経のチャネルコンダクタンスのダイナミクスを定式化することが必要であるが、その定式化を必要としない方法として、RNNを用いてチャネルコンダクタンスのダイナミクスを推定する自動推定法を提案、開発した。ヤリイカ巨大軸索のNa+とK+チャネルコンダクタンスデータ時系列を用いて2つのRNNを学習させた。その結果、学習に用いた電位固定パターン以外のテストデータに対してもコンダクタンス時系列を再現出来た。この事は学習した時系列そのものと言うより、チャネルダイナミックスをRNNが学習したと考えられる。そして、それらのRNNを用いたRNN神経において、神経細胞の性質である、閾値性、活動電位、不応期、リバウンド活動、周期的活動が実際のイカ巨大軸索神経同様観察出来た。従って、今回の推定手法は実験データより新しく見つかったチャネルのコンダクタンスの時系列を自動的に推定することができ、またその結果を用いて容易に、新しいチャネルを用いた神経活動をシミュレートすることが出来ると予想される。また、相互相関関数の最大値を用いて、様々な神経活動について比較を行ったところ、FRNNでかつ滑らかな電位固定パターンで学習させれば、神経活動を良く再現出来たので、それらの組み合わせにより私の提案手法が様々なチャネルダイナミックスの自動推定に用いられる事が示唆される。

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© 2009 システム制御情報学会
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