抄録
GPS/INS複合航法システムを設計するために必要となる、GPSの測位誤差を記述する数学モデル(測位誤差モデル)に関する考察を行った。
先行研究における複合航法システムではルースカップリング方式を採用しており、そこでは測位誤差を単に正規性白色雑音とするモデルを使用していた。しかし、この測位誤差モデルでは、実際の測位誤差の挙動と一致させることは難しかった。
そこで本報告では、正確な測位誤差モデルを構築するための第一段階として、特定の4衛星のみに着目し、それらとの擬似距離から測位計算を行って得られる位置の誤差をモデリングする手法を提案する。そして、構築したモデルの精度を実験により取得したデータを用いて評価した結果を報告する。