日本クリティカルケア看護学会誌
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原著
重症患者における低活動型せん妄の早期発見のための看護実践
小幡 祐司中村 美鈴
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2016 年 12 巻 1 号 p. 61-72

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抄録
本研究は,重症患者におけるせん妄の看護実践の経験を有する看護師が捉える低活動型せん妄患者の反応と,早期発見へと結びつけている臨床知より導き出された看護実践を明らかにすることを目的とした.
重症患者看護における低活動型せん妄の看護実践の経験を有する看護師を対象に,「低活動型せん妄患者のどのような反応を察し,観察することが必要と感じるか」などについて,フォーカス・グループ・インタビューを行い,記述分析の手法を参考に分析した.
研究参加者は8名,4名1グループとしインタビューを行った.低活動型せん妄を察している反応として,【普段とのわずかな違い】,【時間の経過とともに失われていく活動性】,【放っておいて欲しいのではと感じる雰囲気】を含む15 カテゴリ,早期発見へと結びつけている臨床知として,【経過に応じた活気のなさを感じる時がある】を含む8カテゴリ,早期発見へと結びつけている看護実践として【その人らしさを大切にした関わり】を含む4カテゴリが見出された.
カテゴリ間の関連性から,低活動型せん妄の反応を指し示す,移りゆく様相をとらえ,活動性の低下と低活動型せん妄に対する臨床推論が早期発見につながると示唆された.
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© 2016 日本クリティカルケア看護学会
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