日本クリティカルケア看護学会誌
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原著
クリティカルケア看護師の侵襲的治療を受ける意思表示が困難な患者のcueの理解と看護アセスメント
山田 奈津子佐々木 吉子井上 智子
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2017 年 13 巻 1 号 p. 49-57

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抄録
 本研究は,侵襲的治療を受ける意思表示の困難な患者が他者へ意思やケアのニーズを伝えるために意識的,無意識的に発する合図であるcueを看護師がどのように捉え,読み取り,看護支援に繋げていくかを明らかにすることを目的とした.集中治療室および救命病棟に入室中の意思表示の困難な患者に関わった看護師16名に参加観察および半構造化面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチに基づき分析した.結果,患者のcueの理解と看護アセスメントを示す《cueを捉える》《cueを読み解く》《ケアを創り出す》とその基盤となる《cueへの感受性を高める》4側面を形成した.クリティカルケア看護師は,患者を中心に据え,自らの持つ患者のcueへの感受性を土台にして,cueを捉え,そのcueを読み解き,ニーズに応じたケアを創り出していた.また,この患者のcueの理解と看護アセスメントは,幾度も繰り返される中で,看護師は,患者を意思ある存在とし最大限に尊重する認識を深める.そして,その技術や知識を駆使し,読み取りを練磨することで,cueへの感受性を高めることに繋げていた.
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© 2017 日本クリティカルケア看護学会
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