日本クリティカルケア看護学会誌
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短報
ICUにおける人工呼吸器装着患者の睡眠の分断と看護ケアとの関連
山口 亜希子杉江 英理子平尾 明美江川 幸二
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2017 年 13 巻 1 号 p. 65-70

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抄録
 本研究は,ポリソムノグラフィー(以下,PSG)を用いICUにおける人工呼吸器装着患者の睡眠の分断と看護ケアとの関連を明らかにすることを目的とした.ICUで人工呼吸器を装着し48時間以上が経過した患者2名を対象に,PSG装置を21時から翌朝6時までの9時間装着した.また,PSG装置装着中に患者に実施した看護ケアおよび実施時間を記録した.PSGを解析し得られた睡眠図を使用し,患者の睡眠の分断と看護ケアの関連を分析した.結果,研究対象者2名ともに看護ケアによって睡眠が分断した可能性が示唆された.特に,体位変換,吸引,口腔ケア,バイタルサインの測定(血圧測定,体温測定)などの看護ケアが患者の睡眠を分断させる可能性が示唆された.看護師は,自らが実施する看護ケアによって患者の睡眠を分断させる可能性があることを自覚すると共に,睡眠の継続を考慮した看護ケアの組み立てが求められる.
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© 2017 日本クリティカルケア看護学会
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