日本クリティカルケア看護学会誌
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研究報告
平成28年度診療報酬改定後の周術期病棟におけるせん妄評価とせん妄ケアの現状調査
─せん妄患者明確化とクリティカルケアせん妄管理加算の必要性─
古賀 雄二茂呂 悦子有田 孝小幡 祐司川島 孝太雀地 洋平古厩 智美藤野 智子
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2018 年 14 巻 p. 47-56

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抄録

 適切な診療報酬請求を行う上で,せん妄患者の明確化は不可欠である.平成28年度診療報酬改定後のせん妄評価およびせん妄ケアの現状調査を行うことを研究目的として,「急性期に密度の高い医療を必要とする状態」の患者を多くケアするクリティカルケア看護専門団体(急性・重症患者看護専門看護師,集中ケア認定看護師,救急看護認定看護師)の全会員を対象に,平成28年度診療報酬改定後のせん妄評価・ケアの現状を調査した.Web式無記名式質問紙調査を行い,単純集計と質的記述的分析を行った.対象者数1,798人,回答率9.6%,有効回答率100%であった.周術期全体で継続的に妥当性・信頼性のあるせん妄評価は行われていなかった.診療報酬請求の適切性の向上のために,せん妄評価ツールの導入に加えて,ツール評価精度の維持が重要であり,学会等を通じた教育支援を行う必要がある.また,看護必要度を通した医療経済的・政策的なせん妄評価定着への支援は,多職種連携・チーム間連携が進むせん妄ケアの共通言語化を促し,患者ケアを推進する可能性がある.

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© 2018 日本クリティカルケア看護学会
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