2022 年 18 巻 p. 33-42
本研究はICUで人工呼吸器を装着していた患者が看護援助によって体験する心地よさについて明らかにすることを目的とした.ICUで人工呼吸器管理を受けた9名に半構造化面接を実施し,質的帰納的に分析した.その結果,看護援助による心地よさの体験は,〈人工呼吸器装着中の不快の和らぎ〉〈抜管直後の不快の和らぎ〉〈治療に伴う痛みの和らぎ〉〈身体の不自由さの和らぎ〉〈人工呼吸器離脱後の不眠からの解放〉〈全身麻酔後の時間感覚の回復〉〈長期臥床時の方向感覚の回復〉〈心身の活力の回復〉の8つが見出された.看護援助は,7つの援助が見出され,身体的ニードが満たされる援助と,看護師と患者が互いをわかろうとする援助に大別された.