2023 年 19 巻 p. 99-106
【目的】気管挿管患者への口腔ケアマニュアル改訂とICU看護師に対する教育動画による効果について明らかにする.
【方法】介入とした口腔ケア教育は,改訂したマニュアルに基づいた動画を閲覧するものである.評価項目は,「看護師の口腔ケア手技(患者の体位,歯ブラシ使用,ブラッシング時間,保湿剤使用,口腔ケア時間)」と「患者の口腔内衛生環境(汚染度,細菌数,保湿度)」で,介入前後で比較した.対象看護師は,1施設のICUに勤務し,日勤帯に対象患者の口腔ケアを行った非介入群12名,介入群13名である.
【結果】口腔ケア手技では,介入群の方が体位の角度が高く,歯ブラシと保湿剤の使用が多かった.ブラッシング時間は,介入群でより長かった(p=0.01).口腔内衛生環境の汚染度は,介入群でより少なかった(p=0.01).細菌数,保湿度に差はなかった.
【考察】看護師の口腔ケア手技が向上したのは,口腔ケアマニュアルの改訂と動画による教育によって,その必要性が浸透したためと考えられる.