【目的】クリティカルな状況にある患者の終末期治療における家族の代理意思決定支援に対する中堅看護師の困難と対応を明らかにし,今後の実践上の示唆を得る.
【方法】中堅看護師に対し,半構造化面接を実施し質的帰納的に分析した.
【結果】研究参加者は11名であった.分析より【病棟全体での家族支援にむけた態勢づくりに難渋し,風土の改善へ意気込む】などの11のカテゴリを見出した.
【考察】中堅看護師は先行きの不確かな状況に揺らぎ不安な心情でいる家族への関わりに悩みながらも,心理的に最も近い医療者として家族のペースに合わせ,家族の心情を推し量り,中立的な立場で家族の意思決定を支持していた.しかし,医療チームとして認識の薄い医師との関係調整に困難を抱き,対応は様々であった.また,病棟全体での家族支援に向けスタッフへの働きかけに困難を抱き,行為まで至らず支援を求めていると考えられた.
【結論】中堅看護師の困難と対応として11のカテゴリを見出し,中堅看護師の困難解消に向けた支援の重要性が示唆された.
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