抄録
目的:集中治療を要する急性重症患者とシナジーを起こす看護実践モデルを開発することである.
方法:順次的探索的デザインの混合研究法で実施した.急性・重症患者看護専門看護師21名にFGIを実施し,結果をもとに,クリティカルケア領域の認定・専門看護師に質問票調査を実施し共分散構造分析で分析した.
結果:開発したモデルは,【急性重症患者の内的世界との能動的な対話】,【急性重症患者との協働による段階的な回復促進】,【急性重症患者にとっての善行を実現する意思決定支援】,【急性重症患者との関わりを省察し後方病棟にも繋げる切れ目のないケア】,【急性重症患者の希望を尊重した柔軟かつタイムリーな調整】の5因子構造をもつモデルであった(CFI=0.86,GFI=0.76,AGFI=0.73,RMSEA=0.06,AIC=3681.83).【急性重症患者の内的世界との能動的な対話】は各因子に強く影響を与えており,シナジーを起こす看護実践のトリガーとなっていると示唆された.