2024 年 20 巻 p. 51-62
目的:ICUあるいはHCUに入室した急性心不全患者の初回立位の可不可を判断する際の看護師のアセスメントを明らかにすること.
方法:本研究は探索的研究デザインを用いた.アセスメント項目を分類しカテゴリーを生成し,割合を算出した.割合が高い項目について,立位可能群と立位困難群の差をFisherの正確確立検定で比較した.
結果:初回立位の可不可のアセスメントは,入院前のADL 93.3%,年齢84.8%,初回立位開始までの日数82.9%であった.バイタルサインでは,心房細動なし44.8%,血圧40%,心房細動あり36.2%であった.2群間におけるアセスメント項目に有意な差はなかった.
結論:2群間におけるアセスメントに差はなかったが,集中治療後の急性心不全患者における初回立位の可不可のアセスメントは,入院前のADL,年齢,初回立位開始までの日数などの身体機能,そして抑うつ,意欲などの心理面に加えて,循環動態が用いられていた.