日本クリティカルケア看護学会誌
Online ISSN : 2187-400X
Print ISSN : 1880-8913
ISSN-L : 1880-8913
原著
急性・重症患者の回復を促す看護実践モデルの構築:理論統合
中村 美鈴明石 惠子宇都宮 明美吉田 紀子丸谷 幸子阿久津 美代茂呂 悦子松沼 早苗
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 21 巻 p. 24-39

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抄録

目的:急性・重症患者の回復を促す看護実践モデルを構築する.

方法:先行研究から見出したサブカテゴリを基に質問項目を作成しWebアンケートを実施した.有効回収数262名を分析対象とした.因子分析により構成概念を生成し,理論統合の手法を参考にして,モデルを構築した.

結果:回復を促すための思考は,《患者の現状認知状況を見極める》,《身体的安定性と治療プロセスの進捗状況を査定する》などを含む構成概念であった.回復を促す実践は,《患者の主体性をケアに活かす》,《患者のリスクを最小限に留めるように介入する》などを含む構成概念であった.回復を促進する要因は,《患者を中心とした医療者・家族の体制》,《患者の心身の改善》,阻害する要因は,《患者の心身の不安定さ》,《患者中心ではない状況》などを含む構成概念であった.

結論:生成した構成概念からモデルを吟味・構築できた.実臨床での検証が今後の課題である.

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