日本クリティカルケア看護学会誌
Online ISSN : 2187-400X
Print ISSN : 1880-8913
ISSN-L : 1880-8913
研究報告
被災経験を有する病院の集中治療室における災害時の対応に関する実態調査
石川 幸司作田 麻由美堀 友紀子河原崎 麻美寺地 沙緒里藤野 智子
著者情報
キーワード: 集中治療室, 災害, 被災
ジャーナル オープンアクセス

2025 年 21 巻 p. 40-47

詳細
抄録

本研究の目的は被災経験を有するICUにおける災害時対応の実態を明らかにすることである.被災経験を有する施設を対象とした.調査期間は2024年11~12月で,調査項目は施設の属性,実際の対応内容,抽出された課題,体制整備に関する内容とした.回答は20施設から得て,19施設を分析対象とした.ICUが平時の機能を維持できていたのは9施設(47.4%)であった.被災時にICUの対応として活用したのは,院内災害マニュアル17施設(89.5%),アクションカード4施設(21.1%).抽出された課題は,活動指針の整備17施設(89.5%),被災後に整備した体制は災害マニュアル8施設(42.1%)が最も多かった.多くのICUでは院内災害マニュアルをもとに活動しており,ICUに特化したマニュアルを準備・活用している施設は少なかった.平時から有事に備えたICU独自の活動準備が重要である.

著者関連情報
© 日本クリティカルケア看護学会
前の記事 次の記事
feedback
Top