2025 年 21 巻 p. 40-47
本研究の目的は被災経験を有するICUにおける災害時対応の実態を明らかにすることである.被災経験を有する施設を対象とした.調査期間は2024年11~12月で,調査項目は施設の属性,実際の対応内容,抽出された課題,体制整備に関する内容とした.回答は20施設から得て,19施設を分析対象とした.ICUが平時の機能を維持できていたのは9施設(47.4%)であった.被災時にICUの対応として活用したのは,院内災害マニュアル17施設(89.5%),アクションカード4施設(21.1%).抽出された課題は,活動指針の整備17施設(89.5%),被災後に整備した体制は災害マニュアル8施設(42.1%)が最も多かった.多くのICUでは院内災害マニュアルをもとに活動しており,ICUに特化したマニュアルを準備・活用している施設は少なかった.平時から有事に備えたICU独自の活動準備が重要である.