日本クリティカルケア看護学会誌
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実践報告
集中治療室看護師が行う体位角度設定において指示角度との誤差を少なくするための実践
―実測角度を伝えることによる変化―
飯田 紀代子
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2008 年 4 巻 2 号 p. 60-64

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抄録

当院集中治療室看護師 26 名のベッド挙上角度と側臥位角度のそれぞれについて実測角度を測定し,指示角度との誤差がどの程度あるのか,また実測角度を対象者に伝えた後の角度がどの程度修正されるのか調査した.その結果,看護師による,30・45・60 度ベッド挙上角度と,30・45・60 度右側臥位角度のすべてにおいて,平均は指示角度より低かった.実測角度を伝えることで,その数値を基準に,前の角度設定で指標にしたベッド柵以外の周囲の物品やハンドル回転数などを利用し角度を定めるようになった.また,実測角度を伝えた後の実測値はすべての指示角度との誤差は減少し,標準偏差(ばらつき)も小さくなった.実測数値を個々にフィードバックし練習を繰り返すことが,感覚による角度のずれを小さくする可能性が示唆された.

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© 2008 日本クリティカルケア看護学会
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