抄録
本研究の目的は,早期にリハビリテーション施設への転院を選択した初発脳卒中患者の家族の在宅介護に対する認識を明らかにすることである.研究参加者 6 名に対して半構成的面接を用いてデータ収集し,木下による修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析を行った.
分析の結果,家族の認識は,“機能障害の回復認知”と“家族生活の安定認知”という 2 つの軸によって導かれる,【在宅介護を前提にする】【在宅介護を一時回避する】【在宅介護を準備する】という 3 つのカテゴリーで構成された.【在宅介護を前提にする】を核として,【在宅介護を一時回避する】【在宅介護を準備する】と軌道変更しながら在宅介護実現に向かう過程が明らかとなった.この過程は,在宅介護を希望しながらも機能障害や介護に不慣れであるために歯止めがかけられるものの,転院を選択したことで家族が在宅介護を考える時間を得,患者の回復状況と自身のおかれた状況を肯定的に捉えることで再び在宅介護実現に向かったと考えられた.