日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
Online ISSN : 1884-8230
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原著
総義歯印象における術者誘導型と患者主導型の相違
糠澤 真壱
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2009 年 29 巻 1-2 号 p. 18-26

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抄録
本論文は,下顎総義歯の印象法においてコンパウンドを使ったブロックに分けたボーダーモールドを行った上での開口印象である術者誘導型印象法と,下顎総義歯の吸着を目的とした時に行われている患者自身に機能運動をさせた上で閉口位にて印象採得する患者主導型印象法の印象形態の比較の報告である.比較観察の結果から各部位に特徴的な違いあることが分かった.この特徴から術者誘導型印象法は,支持組織に対し機能時の問題が生じない範囲内で義歯床を拡大することを目的とした,下顎義歯の支持を重要視した印象方法であり,患者主導型印象法は,欠損空間を義歯で過不足なく満たすことを目的として下顎総義歯を顎堤に吸着させる印象方法であることが示唆された.
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© 2009 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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