日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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症例報告
継続来院が困難でありながらも初期治療と禁煙で改善がみられた一症例
-個々の患者さんと長く関わり,歯科衛生士を一生の仕事とするためには-
落合 真理子
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2009 年 29 巻 1-2 号 p. 93-99

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抄録
本稿では,広範型中等度慢性歯周炎と診断された患者の症例を通し,仕事の都合で継続した来院が困難な場合へのアプローチ法について報告する. 1999 年の「保健福祉動向調査の概況 歯科保健」によると,25 ~34 歳の歯科受療の中でもっとも多いのは「ムシ歯の治療」で77.0 %であるが,「歯周疾患の治療」は3.7 %,「検診・指導」は6.8 %にとどまっている.同調査で「治療を中断・転院したことがある」と答えたのがもっとも多い世代に対しては,とくに口腔内の状況と治療の必要性を正確に理解してもらうことや,アポイントの工夫などによって一時的に来院が中断しても再来院しやすい環境を作ることが重要と考える. 本症例の治療,および管理,指導を通して,初診時に近い時期の効果的なモチベーションは長く維持されることが理解された.また,歯周初期治療と禁煙が同時期に行われることで,約2 年後には歯肉の線維化に改善が認められた.
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© 2009 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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