日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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症例報告
歯科治療における物理療法の有効性
安光 秀人江原 雄二神田 省吾大西 吉之桑原 明彦山上 哲贒
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2011 年 31 巻 1-2 号 p. 85-99

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抄録
骨および軟骨の修復における物理療法の研究は,1960年代から骨折後の修復に関する研究として行われてきた1).一方,超音波による骨折の治療は,1983年にDuarte がその効果性に関して報告した2)のに始まり,米国のEXOGEN 社が製作したSAFHS®が1994年にFDA より医療機器として承認されたことでその地位を確立した(図1).
本邦でも2003年に水野らにより,遷延治癒骨折や偽関節の治療として80%以上の高い治癒率の報告3)がなされており,新鮮骨折(先進医療)や複雑骨折・難治性骨折(保険適応)など,さまざま骨折の治癒期間の短縮を目的に,20年以上も前から医療分野ではすでに認知されている(図2).
また,骨が力学的環境に応じてその三次元構造を適応させる現象(Wolff の法則)4)と,骨へ加わる機械的ストレスにより損傷電流が発生する現象(骨の圧電効果)5,7)によって,イオンの流動が起こり,活動電位(streaming potentials)6,7)が発生して,骨・軟骨修復を活性化させることがわかっている.さらに,物理療法はサイトカインを刺激することで,骨芽細胞や破骨細胞の増殖を促し,骨形成を促進する8).
骨修復の物理療法としては,(1)埋込式直流(totally or semi-invasive direct cuurent:DC),(2)静電結合電場(capacitive coupling electric field:CCEF),(3)パルス電磁場(pulsed electromagnetic fields:PEMF),(4)低出力パルス超音波(low intensity pulsed ultrasound:LIPU)に大別されるが,今回,理学療法の分野でも特に使用頻度が高い超音波治療器で,歯科用に開発された超音波骨折治療器(LIPUS or BR ソニック®)について,インプラント部周囲の骨組織の再生に関して若干の知見を得たので報告する.
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© 2011 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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