日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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症例報告
無歯顎患者に対するBone Anchored Bridge の咬合様式はどう考えるべきか?
江口 公人杉元 敬弘重村 宏又口 公人
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2011 年 31 巻 3 号 p. 223-230

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抄録

歯周病やその他の原因により歯が欠損し,最終的に無歯顎の状態になると通常なら総義歯による咬合の回復となる.しかし,歯牙を失い,支台歯支持型の咬合から粘膜支持型の咬合に移行した時点で口腔内は基準を失い,個人が永久歯列完成時に持っていた歯の形態やそれによって支持されていた下顎位は喪失されてしまう.総義歯作製法において下顎位を求める方法は種々提言されているが,固定して咬合採取する方法がないためにその手技が困難で術者の技量に左右されやすいのと,その人工歯形態においては顎堤の吸収度合などを参考にして決定しているのが現状ではないかと思われる.
しかし近年,無歯顎患者に対してインプラントを利用してのBone Anchored Bridge により,粘膜支持型の補綴から骨支持型の補綴を行うことが可能となって来ている.
本稿では固定式の補綴を与える場合の下顎位の決定法と歯牙形態の決定法について,現在われわれがおこなっている理論と手法を述べる.

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© 2011 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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