日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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症例報告
ソケットリフトにおけるSinus JO5使用法
樋口 克彦上田 秀朗榊 恭範
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キーワード: 上顎洞, 感染予防, 時間短縮
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2011 年 31 巻 3 号 p. 215-222

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抄録
近年,インプラントの普及に伴い,上顎洞挙上術が一般的に行われるようになってきた.その中でも多くの臨床医は手技的にも簡便で患者にとって外科的侵襲の少ないソケットリフトを選択する傾向にある.ソケットリフトはラテラルウォールテクニックと異なり歯槽堤よりインプラント床を形成し,骨補塡材を上顎洞内に塡入する術式である.しかし,上顎洞底を挙上していく際に,骨補塡材をスムーズにインプラント床内へと塡入することは困難で時間のかかるものであった.
今回われわれは,効率よくインプラント床へ骨補塡材を塡入するための漏斗の形態をした骨補塡材塡入器具Sinus JO5を製作した.この器具により時間短縮だけでなく,周囲に飛散した補塡材が上顎洞内に入ることで感染する恐れも減る.また,高価な補塡材を無駄なく塡入することができるようになる.
今回症例を交えてSinus JO5の有用性を報告する.
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© 2011 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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