抄録
顎関節の雑音を訴えた患者のうち,顎機能不全症問診表,下顎運動解析装置によって診査をした90 名に対して,クリックの発生するタイミング,波形の変曲点の特徴などを分析した.顎関節におけるクリックがどのようなメカニズムで発症するのか,精密な診査・診断ができればその後の治療も可能となる.その診査・診断には精密な下顎運動解析装置が有効な手段であるため,代表的なクリックについて診査・診断をおこない,クリックの消失に至った症例を提示して考察した.顎関節の雑音を訴えた患者の中で顎機能不全問診表の記入,下顎運動を採得した90 名を分析すると,クリックの発生するタイミング,波形から3 種類のクリックに分析することができた.全被験者のうち61%が関節円板前方転位,23%が復位性関節円板内側転位,10%が関節円板後方転位と予測され,不明が6%という結果であった.異なる3 種類のクリックを生じた3 症例に対して,分析結果を元にスプリントを用いたところ,すべての症例においてクリックは消失した.【顎咬合誌 34(3):252-262,2014】