ショートインプラントの臨床的検討を行った.【材料および方法】調整に使用したインプラントは骨内長8mm 以下のスクリュー型インプラントシステムで陽極酸化処理されたものとHA コーティングされたものを含む,1 回法と2 回法の術式を選択できるインプラントシステムである.調査対象は1992 年から2011 年までに京都インプラント研究所所属の4 施設にて施術され,現在経過観察中の75 人(男性22 名・女性53 名),40 歳から83 歳までの平均年齢62.45 歳(男性65.85 歳・女性61.04 歳),104 本とした.【結果】埋入された75 人(男性22 人・女性53 人), 104 本のうち8 本喪失し残存率は92.3%であった.上下顎ともほとんどが臼歯部に埋入され,上顎ではインプラン ト48 本中5 本喪失し残存率89.6%,下顎では56 本中2 本喪失し残存率96.4%となった.【考察】高齢者の増加に伴い,インプラント埋入において多大な外科的侵襲および身体的負担を考慮すると,ショートインプラントの果たす役割は大きいと考えられた.