日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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症例報告
インプラントを長期維持に導く上部構造を外すメインテナンス
安澤 美紀柳沢 亮太龍田 恒康河津 寛
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2020 年 40 巻 3 号 p. 238-

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抄録

インプラント補綴を良好に維持するには,インプラント周囲炎を発症させないことが不可欠である.そのためインプラント治療後のメインテナンスが重要であるが,メインテナンスではインプラント周囲粘膜炎の予防と早期発見に主眼を置くべきである.患者の加齢に伴って,セルフケアの質は低下する.そのため,インプラント補綴の利点を活かし,上部構造を外してプロフェッショナルケアを行うことが有効である.上部構造を外す前の検査,外した後の洗浄とセルフケアの確認,上部構造体の洗浄・研磨,残存歯のクリーニングなど,具体的な手順を示す.さらに上部構造装着後22 年余り経過した77 歳,女性のメインテナンスについて症例を示す.症例は,メインテナンスに際して,上部構造を着脱し,徹底的なプラークコントロールを行うことの有効性を示唆している.【顎咬合誌 40(3):238-244,2020

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© 2020 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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