日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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症例報告
前歯部正中離開による審美障害に対する1 症例
安光 崇洋
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2020 年 40 巻 3 号 p. 269-

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抄録

正中離開による審美障害の改善方法としては,矯正治療,フルカバーによるオールセラミックス修復,部分的な切削によるラミネートベニア修復,ダイレクトボンディングなどが考えられる.今回エナメル質が十分に保存されている状態においては,また今後の長期的予後を考えると,エナメル質を保存する処置を選択したい.本症例において,ダイレクトボンディングにて正中離開を審美的に修復し良好な結果が得られた治療例を報告する.患者は51 歳女性で,審美障害を主訴として来院した.他院で修復処置が行われたが脱離が繰り返し起こっていたという.軽度の捻転を伴う正中離開と診断し,患者の希望と侵襲が少ない方法である,コンポジットレジンによるダイレクトベニア修復を行った.その結果,形態,色調とも調和の取れた良好な結果が得られた.このことから,エナメル質を保存したコンポジットレジン修復により正中離開の審美的な改善が可能であることが示唆された.【顎咬合誌 40 (3):269-273,2020

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