日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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総説
遺伝子治療の口腔疾患への応用
がん,疼痛,ドライマウス,う蝕,歯周病まで
井上 健児田口 洋一郎山野 精一
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2021 年 41 巻 1-2 号 p. 11-20

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抄録

遺伝子治療は,遺伝性疾患の根本的治療法として誕生し,欠陥遺伝子を補う治療法であったが,今日では,①正常遺伝子の補充,②遺伝子発現の抑制,③異常遺伝子の修復を基本コンセプトに,多様な臨床応用が検討されている.近年では,口腔顎顔面疾患領域にも応用が考えられ,研究が進められている.筆者らも,口腔がんによる疼痛や自己免疫疾患のひとつであるシェーグレン症候群によるドライマスを対象とした遺伝子治療の研究を行ってきた. さらに,一般歯科医師でも日常診るう蝕や歯周病への応用も期待されている.

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© 2021 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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