日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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特別寄稿
上顎洞粘液嚢胞を有する患者に 上顎洞底挙上術を行った1 症例
二宮 嘉昭
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2024 年 43 巻 2 号 p. 109-

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抄録

上顎洞に粘液嚢胞を有する患者に,粘液嚢胞を縮小させた後,上顎洞底挙上術を行った1 例を報告する.患者は 49 歳,男性で,インプラント治療を希望され,紹介元歯科より当科受診となった.初診時,上顎は無歯顎で同部歯 槽粘膜に異常所見は認めなかった.エックス線検査より右側上顎洞内に粘液嚢胞を,両側上顎臼歯部歯槽骨に著明な垂直的骨吸収を認めた.上顎顎堤異常吸収の診断の下,初診7 カ月後, 全身麻酔下に両側上顎洞底挙上術を施行した.右側は骨窓を形成した後,粘液嚢胞の粘液をシリンジ(18 G)にて穿刺吸引した.上顎洞粘膜を挙上した後,骨補填材と血液との混合移植材料を上顎洞底挙上部に緊密に填塞した.術後経過は良好で,合併症もなく,3 年4 カ月を経過している.【顎咬合誌 43(2):109-113,2024

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