抄録
近年,歯科インプラントの治療症例数は確実に増加している.今回我々は,経過不良インプラント症例を対象として臨床的検討を行ったので報告する.対象は2006 年1 月~ 2022 年12 月の17 年間,他院でインプラント治療を行い広島大学病院口腔顎顔面再建外科外来を受診した経過不良インプラント症例198 例とし,①既往歴,②性別・年齢,③年度別来院患者数,④来院経路,⑤経過不良症例の内訳,⑥撤去症例の補綴様式,⑦当科での処置内容,⑧インプラント周囲炎撤去患者の性別・年齢分布の8 項目について検討した.既往歴は高血圧症が28 例と最も多かった.年齢は26 歳から91歳で平均65.9 歳で,男性73 例,女性125 例であった.年度別来院患者数は2018 年が27 例と最も多く,来院経路は歯科医院が115 例,当院歯科が65 例,経過不良症例の内訳では,インプラント周囲炎が149 例,インプラント体破折が21 例,撤去症例の補綴様式では,左側上顎臼歯部連結冠が21 例,左側下顎臼歯部連結冠が21 例であった.当科での処置内容は,インプラント体の撤去が110 例と最も多かった. インプラント周囲炎撤去患者の性別・年齢分布では,60 歳以上の女性に集中していた.