日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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ヒト乾燥骨における骨欠損X線像の観察
亀田 行雄
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2000 年 21 巻 1 号 p. 62-68

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抄録
根分岐部病変の診断は, 一般にX線診査とプロービング診査により行われている.特にX線診断は病変を早期発見するうえで重要である.しかし, 根分岐部形態や骨欠損形態を二次元像であるX線写真で読みとることは難しく, 病変の発見の遅れが根分岐部病変の治療の予後を悪くしている一因でもある.本実験の目的は, 根分岐部病変を早期に発見するため, X線写真上の骨像と実際の骨の状態を比較検討し, その相違を知ることにある.そのため, ヒト乾燥骨に人工的に根分岐部骨欠損を作製し観察した.X線撮影は, 従来のデンタルX線フィルムを用いた方法とデジタルX線の2通りで行った.その結果, 撮影方法の違いを問わず皮質骨が薄くかつ根間中隔の骨形態が平坦な試料では, 根分岐部骨欠損が透過像として現れやすく, 皮質骨が厚くかつ根間中隔の骨形態が陥凹している試料では, 透過像として現れにくい結果が得られた.
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