日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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機能的な歯列構築への追究
武内 清隆
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2005 年 25 巻 1-2 号 p. 45-52

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抄録
日常臨床において, 臼歯部咬合崩壊によるすれ違い咬合を呈している症例に対しては, インプラント治療及びパーシャルデンチャーによる治療を適用し, 咬合の回復を図るのが一般的である.特にインプラントの予知性が確立されつつある現在では, 予後に不安が残る歯牙は抜歯し, インプラントを植1/するという考え方が主流になりつつある.しかし様々な理由で, すべてのケースにインプラントを適川する事は不可能であることから, できる限り歯牙の保存に努める必要性は今もって不動のものと思われる.
今回提示させていただく症例は, 臼歯部咬合崩壊の原因によりすれ違い咬合の兆候を呈していたことから, 歯牙保存を最優.先に考えつつ, デンタルインプラントをアンカレッジに用いたマルチブラケット法にて三元的な歯牙移動を行っている.また欠損部においては, 歯牙の遠心移動及び自家歯牙移植を用い, 積極的に咬合再構築を試みた, ここに, 補綴終了後2年の経過を報告したい.
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