日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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ポーセレンラミネートベニア
日高 豊彦高橋 健
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2005 年 25 巻 1-2 号 p. 64-71

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抄録
修復治療を行う場合, 残存歯質の色調や残存量に問題がなければポーセレンラミネートベニア, インレー, オンレーといったエナメル質に近似した光特性を持ったポーセレン (長石質の材料) による接着修復がもっとも審美的処置であることに異論はないであろう.また, 近年の接着技術の発達により修復歯の形成形態が大きく変化し, 従来の修復処置の分類が適応しづらくなっている.
Magneは平均的な長石質の材料は残存歯質の支持なしで5.5mmの高さまで使用する上で問題を認めなかったとしている.つまり従来考えられていたよりもフルカバレッジ (全部被覆) の適応症は少ないことが明らかになってきた.もっとも歯冠長の長い中切歯が日本人で平均11.7mmであることを考えると, 歯冠の50%以上を喪失した場合とブリッジの支台歯のみがフルカバレッジクラウンの適応症であると考えられる.
そこで今回は, 適応症が拡大したポーセレンラミネートベニアについて, 臨床例を提示しながら考察する.
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