日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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静脈採血手技について
尾川 貴規大野 真美加々美 恵一
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2006 年 26 巻 1-2 号 p. 135-139

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抄録

近年, 研究機関のみならず一般開業医の問でも行われているPRP (=多血小板血漿) を用いたインプラント治療や, 口腔外科, 歯周外科領域手術などの再生医療が有効であるとの報告が頻繁にみられる.
この再生医療については, さまざまな種類や用途が文献にて報告されている今日, 医科と歯科とのボーダーラインがなくなりつつあるように思われる.まさに, 医科の知識の必要な歯科医師時代の到来である.
なかでも一般開業医が再生医療を行う上で中心をになっているのが, 患者さん本人の自己血である.静脈採血とは, 自己血を必要な量だけ確実に採るための手技である.医科や看護科では基本的な手技であるのは周知の事実であり, 歯科においては口腔外科, 麻酔科などを除き, とくに一般開業医にとっては, 非日常な手技といっても過言ではない.ゆえに個人差が大きく生じてしまい, 患者さんとのトラブルの原因にもなりかねない.そこで再生医療の第一歩になるであろう静脈採血法についての基本的な手技を系統的に述べるとともに, 採血に関わる諸問題についても考えてみたい.

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