抄録
近年, 審美的な補綴物を製作するためには, エステティック・マウントとよばれる咬合器装着方法が推奨されている.一方, 矯正学的な分析や顎関節機能の分析には従来のフェイスボウ・トランスファーによる咬合器装着がおこなわれることが多い.補綴医と矯正医と技工士, 時には口腔外科医がチーム医療をおこなうためには, できれば同じ咬合器・共通の咬合器装着方法を用いてディスカッションをしたほうが有利である.
今回, 審美・機能の両方を同時に満足する咬合器装着をするため, 新型咬合平面板を考案した.これは矯正分析やスマイルの分析をも可能にする装置である.この新型咬合平面板を利用することにより, 各専門医, 技工士問の情報交換が密になり, マルタイディシプリナリーアプローチに役立つと思われる.