JACET中部支部紀要
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実践報告
英語アウトプットの場としてのインスタグラムの教育的な利用
吉枝 恵
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2022 年 20 巻 p. 85-100

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抄録
本研究では、インスタグラムを利用した英語投稿活動を大学教養科目で実践した結果を考察する。英語でインスタグラムを利用する可能性を大学生に示唆するため、授業活動として英語での投稿を行った。長年にわたってアウトプットの機会が少ないことが、日本人の低い英語習熟度の一要因といわれている。このような現状に対して大多数の学生が日常生活で愛用するSNSであるインスタグラムは、国際的には英語での利用が主流である。このため、筆者は四年間、英語発信の場としてインスタグラムを授業で利用し、経験学習としての有用性を研究してきた。今回、一期15週間に2件の投稿プロジェクトを実施し、3回の質問紙調査を実施した。受講開始時点で、インスタグラムへの英語投稿経験者は一割だったが、このプロジェクトで全員が英語投稿を2回体験した。その結果、投稿には数か国の利用者から、積極的な反応である「いいね!」が贈られた。学生は、英語投稿までのグループ活動、投稿内容、利用者からの「いいね!」について質問紙にて振り返りを行った。グループ活動ではターゲット層を想定し、投稿内容を工夫したという報告が多くみられた。中でも内容を的確に描写する英語表現を探索し、ハッシュタグを造語する活動の報告が注目に値した。投稿内容に反応した各国のインスタグラム利用者からの「いいね!」が、アウトプットの実感につながり、語彙力に加えて意欲の向上も報告された。一方で、英語脚注の作成が困難との指摘もあり、この点の授業内活動における指導に改善の余地がある。
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© 2022 一般社団法人大学英語教育学会中部支部
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