抄録
本研究は、ELF-LEGOコーパスを用いたタスクベースのELF(English as a Lingua Franca)相互作用のマルティモダル分析を通じて、従来の対面会話とは異なる相互作用の特性を明らかにする。本コーパスには、抽象的なテーマ(例:「責任」「協力」「正義」)に基づいてLEGOブロックを使用しながら、グループでの議論と物理的作業を同時に行う参加者のデータが含まれている。分析から、多人数会話におけるターンテイキングの原則が、物理的作業の優先によりしばしば破られること、また、視線の使用は次の発話者を指名する役割よりも、合意形成の手段として使用される傾向があることが明らかになった。さらに、異文化間での理解交渉や、少数派参加者のグループ内での位置づけも観察され、これらは一時的な国際グループの形成過程を示唆する。本研究は、ELF研究におけるマルティモダル分析の可能性を示すとともに、さらなる文化的および相互作用的な分析の必要性を提言する。